どんなに期待をかけてもかけても、その期待を軽く上回ってしまうのだから京都アニメーションはおそろしい。とくに劇場版になると、その挑戦的な手法が目につくから尚更だ
(参照:『映画 ハイ☆スピード!』はなぜ“前日談”を描いたのか 京都アニメーションの大胆な挑戦)。
http://realsound.jp/movie/2015/12/post-556.html
しかも10月から『響け!ユーフォニアム』の2期が始まるということは、ほとんど同時進行で本作の制作が進められていたということだろう。
すっかり日本中が『君の名は。』一色に染まっているが、個人的には今年のアニメーション映画のナンバーワンは、この映画『聲の形』で揺るがない。
小学校時代に転校してきた先天性聴覚障害を持つ硝子。彼女をいじめる悪ガキの将也。しかし、行き過ぎたイジメのせいで硝子は再び転校してしまい、イジメの対象が将也に移る。
それをきっかけに人と距離を置くようになった将也が、高校生になり、贖罪の意識で硝子に会いに行くところからこの物語は始まる。高校生の男女の淡い恋心と、彼らの青春模様を描く点で
『君の名は。』と共通しているが、互いの名前がわからなくなることよりも、何年も相手の名前を忘れることができず、何処にいるかもわかっているのに、会うことを憚られることのほうがよっぽど切ない。
タイトルにあえて“映画”と付けられているのは、「このマンガがすごい!」をはじめ様々な賞を受賞した大今良時の原作を忠実に映画化していることの何よりの現れであろう。
京都アニメーションの劇場作品9作目にして初めて、基となるアニメ作品が無い本作は、テンポ良く流れるわずか2時間強の作品の中に、
原作コミック7巻分のほとんどが凝縮されている。いわば原作コミックの総集劇場版というようなテイストだ。
この映画化にあたっての最大の冒険は、エピソードの取捨選択や幕切れのタイミングではなく、“ふたりの手を繋がせずに、いかにして青春ラブストーリーとして成立させることができるのか”ではないだろうか。
原作では、将也と硝子が手を繋ぎそうで繋がない描写の数々に、妙に心がざわめいた。小学校時代に手を握ってきた硝子を拒絶してから、
ふたりの掌と掌が重なり合うことはなく、ラストで過去へのわだかまりを捨てて、きちんと向き合おうとする将也の心情の表れとして、
硝子と手を繋ぐ。それは同時に、曖昧なままであった、ふたりの恋の大きな進展を予感させる場面でもあった。
とはいえ、映画版でも直接的な恋模様の描写はない。それどころか、そのラストも大胆に変更されたのだ。そこはさすが山田尚子監督と吉田玲子脚本である。
『けいおん!』シリーズと『たまこまーけっと』を経て、TVシリーズとはまったく違うテイストの『たまこラブストーリー』を作り出した時点で、
青春ラブストーリーという分野でこの二人の右に出る者はいないのだ。
(c)大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会
http://realsound.jp/movie/2016/09/post-2757.html
だからこそ、現在の友人たちとの関係に重点が置かれたことも頷ける。過去の友人たちとの関係については、将也が変化したことでいずれ変化が訪れることを示唆するまでに留められているのだ。「伝えること」「答えること」というシンプルなコミュニケーションの難しさと、「関係が変わること」への恐れを描き出すという点も、本作と共通している部分だろう。しかし、それだけではない。
『たまこラブストーリー』で、ふたりを結びつける重要なツールとして“糸電話”が使われたように、本作では再会のきっかけとなるノートと、お互いが意思を伝えるための“手”がその役割を果たす。
劇中では原作同様、手を繋ぐことを躊躇いながら袖を掴んだりする描写がさりげなく描かれ、着実に将也と硝子の距離が縮まっていくのがわかる。
それでも、明確にふたりが手を繋ぐ描写が描かれなかったのは、あえてひとつも答えを提示しないためだったのではないだろうか。純粋に、ふたりの恋の始まりとしての手を繋ぐ行為を作るためには、観客にそれを予感させなければならない。
きっと、ふたりはこのあと手を繋ぐ。手話で会話をするふたりにとって、手を繋ぐということは想いが通じ合っている何よりの証になるのだ。将也自身に大きな変化が訪れたあのラストを観てしまえば、それを期待せずにはいられないだろう。
■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter
■公開情報
『聲の形』
9月17日(土)より、新宿ビカデリーほか全国ロードショー
出演:入野自由(石田将也役)、早見沙織(西宮硝子役)、悠木碧(西宮結絃役)、小野賢章(永束友宏役)、金子有希(植野直花役)、石川由依(佐原みよこ役)、潘めぐみ(川井みき役)、豊永利行(真柴智役)、松岡茉優(石田将也役)
原作:「聲の形」大今良時(講談社コミックス刊)
監督:山田尚子
脚本:吉田玲子
キャラクターデザイン:西屋太志
美術監督:篠原睦雄
色彩設計:石田奈央美
設定:秋竹斉一
撮影監督:髙尾一也
音響監督:鶴岡陽太
音楽:牛尾憲輔
主題歌:aiko「恋をしたのは」
音楽制作:ポニーキャニオン
アニメーション制作:京都アニメーション
製作:映画聲の形製作委員会(京都アニメーション/ポニーキャニオン/朝日放送/クオラス/松竹/講談社)
配給:松竹
3: :2016/09/17(土) 19:40:01.51 ID:
ブスだったら、イジメられるだけの話
76: :2016/09/18(日) 01:21:08.82 ID:
まさしくこれ
美少女×障害設定があざとすぎる
障害を創作のダシに使うのは好きじゃない
78: :2016/09/18(日) 01:55:25.27 ID:
作中では登場する少女はほぼ全員美少女だから、
西宮さんの容姿は十人並みである可能性が高い。
8: :2016/09/17(土) 19:46:52.68 ID:
18: :2016/09/17(土) 19:59:48.78 ID:
モブキャラの顔に✖がついてるのがちょっと
31: :2016/09/17(土) 20:40:01.56 ID:
33: :2016/09/17(土) 20:46:23.48 ID:
だから、連載化した時は驚いたよ。まあ、また嫌な思いをしたくないので飛ばしてたけど。
最近は、こんなのがウケるの?
35: :2016/09/17(土) 20:49:55.06 ID:
ない映画しか観る脳がないからな、ここにいる連中は更に映画に行く金も
ないボンビーだから始末に負えんww はやく死んだらw
43: :2016/09/17(土) 21:29:40.23 ID:
笑えるんだけど
49: :2016/09/17(土) 22:18:33.94 ID:
青春ラブストーリー・・・
ただし最後にくっつく可能性が残されてるのは石田と植野なんですわ by原作者
50: :2016/09/17(土) 22:18:40.29 ID:
54: :2016/09/17(土) 22:23:48.16 ID:
出崎がクラナドやった時に、言われたという「死なないと泣けない」の類い
京アニは「死なせて泣かせよう」割りきっているつくりだから凄いよね
52: :2016/09/17(土) 22:20:59.51 ID:
65: :2016/09/17(土) 22:55:54.00 ID:
66: :2016/09/17(土) 22:59:29.67 ID:
71: :2016/09/18(日) 00:30:12.65 ID:
AIRとかクラナドとかさぁ記事書いてる奴がテキトー過ぎるw
82: :2016/09/18(日) 02:57:22.80 ID:
君の名と比べて、ビジュアルの演出がシコれる
そんな風にチンコで評価できる人にしかオススメしない。
内容はというと、西宮の容姿についての表現も評価も劇中ではないため、
視聴側の西宮に対する印象を登場人物の考え方に投影してよいのかモヤモヤする。
ここさけと同じく胸糞系青春劇で
吐き気がするような生々しさを出したかったのだろうけど
この一点でどのキャラクターの考えも
「こんな考えもあるよね」という前提に基づく用意された配役にしか見えない。
セリフも登場人物から発したものでなく
小綺麗な作品を通じたメッセージ感が強い。
こんな人権啓発アニメ、誰もコメント出さないし、出せない。
可愛いは正義のもとに集まった連中を描けばいいじゃないか。
それなら自分も投影できた。
ただ、期待したいのは西宮さんの薄い本だけ
87: :2016/09/18(日) 07:22:26.15 ID:
今のタイミングで心が叫びたがってるんだ上映したらもう少し客入ったかも分からん
89: :2016/09/18(日) 07:59:24.21 ID:
91: :2016/09/18(日) 08:19:33.81 ID:
ここもう一押ししてくれたら泣けるのに、って所を淡々と流してる印象。
泣いてカタルシスを得てスッキリして映画館を出て欲しくないって作り手は思ってたんじゃないかな。
96: :2016/09/18(日) 09:55:11.79 ID:
でもその「場面」とやらは挙げられないんだよね
その手の語りはいつもそう
100: :2016/09/18(日) 10:37:24.23 ID:
上映中は本スレ以外ではネタバレを書かない主義なんだ。
すまんね。
101: :2016/09/18(日) 10:50:52.59 ID:
俺もそんな印象
いい匙加減だったと思うよ
92: :2016/09/18(日) 08:25:48.34 ID:
『字幕』ついてた?
94: :2016/09/18(日) 08:57:37.31 ID:
京アニ信者って、ガチの馬鹿しか居ないのか?
萌え豚が京アニ作品を見限った以上、京アニは萌え系のキャラデザから脱しないと未来は無い
こういうタイミングでこそ残り僅かになった信者が騒がないとダメだろ
「いい加減に萌え絵はやめて、一般向けにシフトしろ!」ってダメ出しをしないから、いつまで経っても京アニは過去の栄光が忘れられずに同じ過ちを繰り返す
99: :2016/09/18(日) 10:33:36.28 ID:
一般向けw
京アニが一般向けでどうやって儲けるんだよ、
京アニは東宝じゃねえんだぞw
107: :2016/09/18(日) 11:36:11.86 ID:
確かに”ぬるぬる動く萌え絵”で商売して来たアニメスタジオだから、一般向けのノウハウは無いのかも知れないね他所のスタジオのレベルが上がって並ばれた今ではアドバンテージが無い
監督も自社の人間だけで回してるから新しい血が入って来ない、悪い意味でのプチジブリ
ユーフォみたいな萌え絵に改変するのが向いてる原作を立て続けに引き当てないと大変だな
98: :2016/09/18(日) 10:20:39.63 ID:
110: :2016/09/18(日) 12:10:46.22 ID:
111: :2016/09/18(日) 12:23:02.66 ID:
嘘は止めようね
114: :2016/09/18(日) 12:41:10.78 ID:
CMも深夜アニメ見てる連中に向けて打ってるし
118: :2016/09/18(日) 13:10:55.89 ID:
それが当たり前だと思ってるから京アニは自社オリもパッとしないんだろうな原作読んでる前提の映画は0点の採点を付けられても仕方ないんだよ
読んでない人にも解かるように1本の作品として成立させるのがプロ
120: :2016/09/18(日) 13:26:20.35 ID:
高尚ぶったっておまんまは食えんだろ
122: :2016/09/18(日) 13:39:25.88 ID:
高尚ぶるのとは別の話だろむしろ方向性が定まらず、こういった作品のアニメ化で高尚ぶってるのは京アニの方かと
117: :2016/09/18(日) 13:04:48.66 ID:
普通のオタク向けアニメ映画というスタンス